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マクロ政策

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松原 聡 さんのトピック :2011.07.05 16:55

実は既に自由化されている電力を逆に阻害しかねない新しい自由化

原発の事故をきっかけに日本の電力体制というものが色んな形で議論されているが、基本的なところが欠けている議論が多いように思われる。例えば日本の電力供給体制は独占だと言われているが、実はもう自由化はどんどん進んでいて、2000年に特別高圧2000kWが自由化された。そして2004年にはそれが500kWまで下げられ、2005年には50kWまで下がってきた。実は50kWまで下がると全体の63%はもう自由なのだといえる。逆に言うと、独占であって、総括原価主義の対象の需要家というのは個人と、低圧な小さなコンビニという全体の約30%にすぎない。よって、今の電力供給体制があたかも全て独占だという考え方自体がそもそもおかしい。
自由化の中で、まずIPPという電力会社に電力をそのまま卸すことが出来る発電事業者があり、さらにPPSという直接消費者に小売できる発電事業者がある。更に63%の自由化というのは、PPSは全国どこのPPSを選んでもよく、更に東京電力管内であれば東京電力以外の8つの電力会社のどこの電気を買ってもいいというものになっている。その時に太陽光発電、メガソーラーで発電事業者が発電所を作り供給できるような体制を作るべきだという議論が官民両方から盛り上がっているが、非常に高コストな太陽光発電を何十年にも渡って強制的に固定価格で買取るということは発電事業者にとっては、こんな楽なことはない。投資した金額は確実に儲けと共に回収できる。しかし、この事を法的に強制してしまうと買取る側は、発送電分離というような議論が出ているが、発送電分離できなくなってしまう。送電会社というのは発電事業者から一般の需要家の間をつなぐだけなので、そこに高い値段でソーラー発電の電力を買わせることはできない。逆に分離した方の発電事業者の方は自分の所で発電をしているので、そのような高い電気を強制的に買わされることにもならない。そうなると、すでに自由化が大分進んできた中で、電力の固定買入れのような制度を入れると電力の自由化が逆に止まってしまう。本当にその事が電気料金を将来的に下げたりだとか、或いは発電事業者が自由に入ってくるといったことを、逆に阻害する可能性がある。それでも良いのなら構わないが、そのためには1年くらいは議論すべきで、それを兎も角ソーラー発電を作ろう、それを強制的に買わせよう、強制的に買ってもらえるのであればメガソーラーを作った方は投資資金を確実に回収できるからどんどん作ろうということになる。その結果、日本のトータルでのエネルギー体制がどうなっていくのかということについては、まるで展望ができていない。
原発事故を通じて、日本のエネルギー政策というものを10年、20年先を見通してどうするのかということをしっかりと定めてから、その上で太陽光だということになれば、メガソーラーの普及策をどんどんやればいい。しかし、そうではないという可能性もある。そのような所をしっかりと議論しないで、メガソーラーを作り、そこで出来た電気は20年に渡り投資が回収できるようにするという議論が先行してしまうことに関してとても強い違和感を感じる。

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champ128jp さんのコメント :2011.07.05 20:42  

一度読んでも理解できなかったのであと3回くらいパズルを解くように読み返してみます。興味ある未知のトピックなので

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nakkazzz さんのコメント :2011.07.05 22:29  

ドイツの場合もそうだが、基本的に買い取り制度は産業政策(長期的視野にたった国による市場への介入)の類であり、自由化(市場原理の活用)に反するのは当たり前である。短期的な収支がマイナスになるがそれでも必要だから各国がこぞって導入し、今後も一層推し進めるのである。さらに、買い取り制度と発送電分離が両立できないわけではない。分離後のそれぞれの役割を考えれば分かることだが、買い取り制度による影響は電力提供全体にかかるコストが短期的に増え、長期的に下がるだけ。

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champ128jp さんのコメント :2011.07.14 19:49  

もう一度読みました。完全に理解してません。理解できるまで何度もトライするつもりですが、巷のコメントには全く出てこない事実で関心ありありです。先生すごいです。頑張ってください。

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